菩薩!横山剣様
クレイジーケンバンドの横山剣といえば、いま最も旬の、カッコいいオジサンの代表ではないだろうか。45歳。濃いサングラス、色気ある歌声、ハンサムな容貌にどことなく胡散臭い雰囲気。

CKBの存在に気づいたのは2002年の12月だった。変な歌(失礼!)という印象があり、メロディが耳について離れず、あまりにも気になるので2003年になってレンタルCDを借りた。そして歌詞カードを見て、「なんで?なんでこの曲にこの詞なの?」というありえない表現、フレーズに心底驚いた。

いかした旋律に、普通、歌には使わないだろうということばを乗せ、ファンキーに演奏するCKB。どうして今までこんなすごい音楽に気がつかなかったのかと、それから一気にさかのぼって'98年のファーストアルバムからシングルすべてを乱聴し、すっかりその魅力に取り憑かれてしまったのだ。ジャズが好きだけど、清志郎もチャゲアスもユーミンも美空ひばりも好きな私には、あらゆるジャンルがシャッフルされたCKBの音楽は「ついに私の探していたものを見つけた!」という衝撃の出会いだったのだ。

そこへもってきて横山剣というキャラクターの圧倒的な魅力!まるで変幻自在な万華鏡だ。光と影、カードの表と裏のように極端に違う何かを合わせ持っている不思議さ。だからCKBの音楽も、スキャットがいっぱい入った恐ろしくカッコイイ曲の次にがらっと一変して、吹き出してしまう曲もあって、全く違う世界を自在に行き来している。

横浜の不良・・というイメージの横山剣さんだが、実は松下幸之助を読んでいる、実直なレコード会社の経営者だったり、男の色気が炸裂しているのに、一方で性を超越した菩薩のような雰囲気もあったり。おじさんもおばさんも若者も子供も剣さんの前に行くとみんな幸せな気分になって、にこっ〜と笑ってしまう。(そんな場面を私は見たのよね)

ステージやTVの怪しさとは別人のように、普段の剣さんは穏やかで上品な紳士。なんでそんな事を知っているのかといえば、私の歌の師匠浦千鶴子さん(第6回のエッセイで登場)のお陰で今年の春、楽屋にお邪魔したときそう思ったのである。真っ白いTシャツにジーンズ。サングラスをとった素顔の剣さんは美しすぎて、気の利いたことは何一つ言えなかったが、一緒に撮っていただいた写真を眺めると、今でも笑いが込み上げてくる。もはや重度の狂剣病だ。

小学生の頃から作曲家を志望し、どんなことがあってもあきらめなかった。家族を養うために会社に勤めながらバンド活動を続け、ついに40歳を過ぎて大ブレイクを果たした。そんな生き方を本当に尊敬している。同世代ということもあり、ものすごく勇気づけられる。

ところで先日メールを送ったら、信じられないことに返信メールをいただいた。(自慢〜!)メールの文章はとても律義で、文体、字面、改行の位置、どれをとってもなんてきっちりした人だろうと思う。ところどころ笑いもあって、例の「イイネ!」も最初と最後に書かれていた。毎年毎年膨大な数の曲を作り、驚くべき回数のライブスケジュールを楽しそうにこなす剣さんを見ていると、「すっごいなあ〜!!」とただただ敬服するばかりです。11人のバンドメンバーを率いるそのお姿は、やっぱり菩薩だ!スタッフの方々もバンドのみなさんも、剣さんのことが大好きなのだ。

狂剣信者と化した私は、横山剣さんを見習って、厚く信頼できる仲間と共に、一生懸命仕事を頑張っていこうと思いまス!! 合掌
(2005.9.1)

HOME